仕事は楽しいかね？ ④明日は今日と違う自分になる、だよ。
第四章
明日は今日と違う自分になる、だよ
試してみることに失敗はない
その言葉に男は困惑していた
しばらくして老人が戻ってくる
話を戻そうとすると
その前に作った成功のための戦略について
もう一度話し合うことになった
老人は話しだした
仕事上のあらゆる問題は
情熱があれば解決する
そう繰り返し言ってきた
懸命さと想像力があれば
どんなこともうまくいく
だから大好きなことをしろ
そうアドバイスしてきた
ただ大抵の人たちは
どんなものに
夢中になれるかわからない
大人になったものの
何になりたいかわからない
たしかにほとんど多くの人は
仕事への情熱を
目の当たりにすることなく
育ってきた
両親が熱狂しているのは
スポーツ観戦くらい
やがて自分はプロスポーツ選手には
慣れないと気づき
心にぽっかりと穴が開く
そのままおとなになっていく
大事だと思うのは
理想の仕事について
ちゃんとした考えを
持っていないから
物足りなさや
取り残された感を
感じてしまうということ
また例えこれこそと
思えるような仕事でも
思い込みは禁物だということ
そういう人は
計画を立てることに
依存しすぎている
「目標の弊害」
の状態に陥っている
今の多くの成功者も
もし昔の夢を意地でも
変えようとせずに
責任を引き受け
断念することを拒んでいたら
日の目をみることはなかった
私たちの社会は
時間や進歩に対して
直線的な味方をしている
目法を設定して
それに向かって努力しなさいと
だけど人生は
そんなに規則正しいものじゃない
規則から外れたところで
いろんな教訓を
与えてくれるものだ
目標を設定すると
自己管理ができていうるような
気がするものだ
大抵の人は
マンネリ化した生活から
抜けだすために
目標を設定する
だがしかし
今日の目標は明日のマンネリ
老人はそう言うと
自分自身がいままでに
一つだけ掲げたという
目標を教えてくれた
「明日は今日と違う自分になる」
